2010年5月アーカイブ

「宮崎牛」のブランドを支えてきたエース級種牛6頭のうち1頭で22日、口蹄(こうてい)疫感染の疑いが確認されました。残る5頭も感染が分かれば、畜産農家への打撃は計り知れない。宮崎県から子牛の供給を受けている全国の肉牛産地にも衝撃が走りました。

感染の疑いが強まった「忠富士」は、6頭の中で人工繁殖の精液供給量が最多でした。「断トツの良い牛だったのに...」。宮崎県川南町で40年近く牛を育ててきた女性(68)は言葉を詰まらせました。

忠富士の血統は肉質も良く、収益性も高いとされ「多くの農家で忠富士に切り替えようとしていた」といいます。「なぜもっと早くから隔離してくれなかったのか」。国や県の対応に不満を漏らす。

女性は約100頭の牛を飼育していたが、今月10日に感染疑いが判明、殺処分が決まった。「ゼロから牛を出荷するまで20カ月はかかる。もう農家をやめる時期かもしれない」と声を落としました。

川南町の男性(55)は「1頭が出たらほかの5頭の種牛も感染するだろう」と不安げに語り、「宮崎ブランドがなくなる。最悪の結果だ」と危機感をあらわにしました。

「松阪牛」の産地、三重県多気町にある牧場の担当者(43)は「宮崎の種牛が全滅したら、本当に痛い。餌の配合などの育て方が一番合っていた」と頭を抱える。

松阪牛として育てている約400頭のうち、9割が宮崎産の子牛。毎月約30頭を仕入れ、その6割は忠富士の血を引くといいます。

「ほかの地域の牛を仕入れても、いきなりは対応できない。需要の多い年末年始に肉質が低い牛を出荷することになる」と嘆いた。

2010年5月

 
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